住宅ローン講座 

2024年09月11日

短期プライムレートに注意を!!

いまだからこそ最近の金利の動向を見ながらまずは基本的な資金計画の立て方、考え方を一緒に始めませんか?

 

失敗しないための資金講座

 

頭金について

1. 住宅ローンの頭金の役割

住宅ローンを契約しマイホームを購入する準備として、まずは頭金を用意

するのが一般的です。

(1)不動産購入時に自己資金として入れるお金

頭金は「自己資金」として入れるお金です。住宅ローンで借り入れする金

額と合わせて住宅の購入金額として支払います。頭金が多いほど借入額を

減らせ、少なければ借入額が増えるというわけです。

頭金をどれだけ用意するかは、月々の返済額に影響を及ぼします。頭金が

多めなら月々の負担を抑えられ、少なめなら負担が増える仕組みです。

(2)支払いは融資実行日

自己資金として用意した頭金は、ローン契約後「融資実行日」までに支払

います。マイホームを購入するときには、申し込み・契約・物件完成・引

き渡しという流れで進みます。

融資実行日は通常、引き渡しの日と同日です。

住宅ローンの借入金と頭金をそろえ購入資金を全額用意し、あらかじめ営

業担当と決定していた入金のタイミングに支払うことで、物件を引き渡し

てもらいます。

 

2. 頭金を用意するメリット

(1)頭金が多い場合のメリット

住宅購入時、自己資金である頭金を多く用意できると、それだけ多くのメ

リットが得られます。

●月々の支払金額が低い

まず挙げられるのは、月々の返済額を低く抑えられることです。頭金を多

く入れれば、それだけ借入金額を減らせます。

例えば2000 万円の住宅を頭金100 万円で購入する場合と、頭金500 万円

で購入する場合では借入金額に400 万円の差が出ます。

返済期間が同じであれば、頭金500 万円の方が月々の支払額は小さくでき

るのです。

また借入額が少ない分、返済期間を短く設定し、総支払額を少なく抑える

計画も立てやすくなります。

●優遇金利を受けられる場合がある

多額の頭金を用意できると「優遇金利」が適用される場合があります。

より有利な条件で借り入れできるのは、多くの自己資金を用意できる人で

あれば、スムーズな完済が期待できると判断されるからです。支払総額を

抑えたい場合、頭金を多めに用意するのがおすすめです。

 

●審査に通りやすい

頭金を多く用意できると、審査に通りやすくなることも期待できます。

先にも述べた通り、頭金の多さが信頼につながるからです。

また、住宅購入金額のうち自己資金の比率が高まれば借入金額が減少しま

す。借入金額が少ないこともスムーズな審査通過につながる要因です。

3. 頭金はいくら入れるべき?

信頼を獲得し借入金額を減らすことにつながる頭金は、用意する金額が大

きいほど有利になります。具体的な相場や頭金を入れるときの注意点を解

説します。

(1)相場は物件価格の1020

頭金の相場は物件購入価格の「1~2 割」といわれています。

例えば3000 万円の新築住宅を購入する予定なら、300 万円~600 万円を

目安に用意するのがおすすめです。なぜなら金融機関の住宅ローン借り入

れ可能額が、物件価格の80~100%に設定されていることが多いからで

す。支払い能力の判断により緩和されることもありますが、頭金を1~2

割用意できれば利用しやすくなります。

 

●手元に残す現金

頭金を多く準備するほど返済の負担は軽減します。ただし預貯金を全て頭

金として使い切ってしまうのではなく、ある程度の現金を手元に残してお

くことは大切です。

マイホーム購入時には頭金のほかに、諸費用もかかります。

新築物件なら購入価格の5~7%、中古物件なら7~10%が諸費用の目安で

す。仮に3000 万円の新築住宅では、およそ150 万円になります。また購

入直後には、引っ越し費用や家具・家電の買い替え費用なども必要です。

近い将来にあるかもしれない、車の買い替えや子どもの進学にも備えなけ

ればなりません。預貯金の中から、諸費用・生活予備費・将来への貯蓄を

差し引いた分が、頭金に充てられる金額と考えます

 

4. 頭金なしでも住宅ローン借り入れは可能

購入金額の1~2 割が相場の頭金ですが、必ず必要というわけではありま

せん。頭金0 円でも住宅ローンの借り入れはできます。頭金を入れないメ

リットや注意点をチェックした上での検討が必要です。

●低金利時代はフルローンもアリ

金利が高いタイミングで借り入れする場合、頭金をできるだけたくさん用

意することが、支払利息の負担を抑えることにつながりました。しかし低

金利の状態が続く場合、住宅ローンの支払利息はかつてほど多くかかりま

せん。そのため頭金を多く入れることよりも、手元資金を残す方が大きな

メリットを得られるという考えもあります。

将来的に子どもの教育資金や車の購入費用など大きな支出が見込まれるの

であれば、低金利の住宅ローンを目一杯借りて手元に現金を残しておくの

も有効です。さらに勤務先や年収といった条件さえ合えば、貸し出しに応

じる金融機関が多いこともあり、フルローンでの住宅購入も選択肢として

アリという状況です。

●頭金を入れないメリット

頭金を入れないことにもメリットがあります。代表的なメリットは、早い

段階で借り入れし月々の負担を抑えられる点です。

フルローンでの住宅購入であれば、それほど多くの資金を貯められていな

い20 代でも手が届きます。20 代であれば長い時間をかけた返済ができる

ため、毎月の返済額を抑えながらマイホームを持てるのです。加えて頭金

を貯めるまでの家賃の負担がなくなります。その上、手元資金にも余裕を

持てます。

 

理想の住宅を見つけたとき、購入のタイミングを逃さずに済むというのも

メリットです。頭金なしで購入する選択肢があれば、頭金がないからと購

入を諦める必要がありません。

●頭金を入れると住宅ローン控除が減る

住宅ローン控除とは、住宅購入に際し住宅ローンを借り入れた人が受けら

れる税控除のことです。住宅ローンの年末の残高に応じて税控除が計算さ

れるので、頭金を多く出して借入金額を小さくすると、住宅ローン控除額

が減少することになります。

●リスクの把握

フルローンによる住宅購入はメリットもあり、選択肢の一つとして有効で

す。ただしリスクも存在します。勤務先や年収によっては、そもそも住宅

ローンを利用できない可能性があります。また借り入れできたとしても、

総返済額が増え返済期間も長く設定されます。さらに金利が上昇すると、

返済の負担が大きくなる可能性もあります。

返済の負担が大きく支払いができなくなった場合、住宅を売却しローンを

支払わなければならないこともあり得ます。このようなとき、頭金0 円で

はローン残高が大きく、売却した金額のみで返済しきれないケースが発生

します。

 

借り入れについて

住宅ローンを提案するときに最も重要なことは、顧客がいくらくらいの金

額を借りられるのかを見極めることです。

1. 年収から計算する住宅ローン借入可能額

住宅ローンは年収からおおよその借入可能額を計算可能です。年収と住宅

ローンの関係について知ることで、住宅ローンを利用できるのか、いくら

くらい借りられそうか判断する目安にできます。

(1)平均は年収の7 倍程度

借入可能額の目安は、年収のおよそ「7 倍」です。

 

(2)ローンを組める下限は年収300 万円が目安

「年収300 万円」が、住宅ローンを契約できる年収の下限の目安です。

国税庁の調査によると、令和3 年の平均給与は443 万円のため、年収300

万円台は平均より低収入といえます。

 

それでも実際に住宅ローンを利用し、物件を購入している人は一定数いる

のです。金融機関も、年収のみで申し込みを制限しているケースはほとん

どありません。年収が低ければその分、借入可能額は下がり、審査が厳し

くなる傾向がありますが、契約できる可能性はあります。家計やライフプ

ランを考慮し、無理なく返済できる範囲内で利用することが大切です。

2. 自営業の場合は基準が厳しい

同じ年収であっても、会社員より自営業の人のほうが住宅ローンを借りる

のは難しいといわれています。

●金融機関は返済能力を重視する

金融機関は住宅ローンを貸し出すときに契約者の「返済能力」を見ます。

安定した経営を続けている大企業の社員が審査に通過しやすいのは、勤務

先に信用があるからです。

その企業で働き続けていれば、社員は毎月一定の給料を受け取れるため、

確実に返済し続けられます。企業が社員の返済能力について、信用に足る

ものであると証明してくれているわけです。

一方、自営業の場合には、信用できるだけの返済能力があることを自分で

示さなければいけません。十分な収入が継続的にあることの証明はもちろ

ん、携わっている事業が将来性のあるものだということもアピールが必要

です。金融機関が判断に迷う部分があると、審査の通過が難しくなる可能

性が高まります。

 

●国家資格や経営の安定度が評価される

自営業者が安定経営をアピールするには、継続して一定以上の収入がある

ことを示す資料を提出しなければいけません。2~3 年分の確定申告書の提

出を求められるのが一般的です。そのため、自営業になって1 年目といっ

た駆け出しのタイミングでは住宅ローンの契約は難しいことが多いです。

十分な実績と安定した収入を得られるようになってから申し込むのが賢明

です。ただし特定の国家資格を持ち事業を開始した場合には、事情が異な

ります。例えば医師や弁護士といった資格を持つ自営業であれば、開業か

ら1 年ほどでも住宅ローンの審査に通過する可能性は高まると考えられる

ことが多いです。

3. 返済比率

審査の際には返済比率も重視されます。

大企業に勤務し十分な収入のある人であっても、返済比率が不適切だと審

査に落ちる可能性は高まります。返済比率の意味や上限の目安を知った上

で住宅ローンへ申し込むのが賢明です。

●返済比率の意味

返済比率とは年収に対する年間返済額の割合です。

「年間返済額÷年収×100」で求められます。

例えば毎月10 万円ずつ返済している場合、年間返済額は120 万円です。

年収600 万円であれば、返済比率は20%と計算できます。

 

●返済比率の上限

金融機関ごとに返済比率の審査基準が設けられています。

フラット35 の場合には、年収400 万円未満は30%、年収400 万円以上

は35%です。(2023 年1 月時点)例えば年収500 万円であれば返済比率

の上限は35%と設定されています。最大で年間175 万円、月14 万6,000

円程度が借入上限額です。その他の金融機関では返済比率を公開していま

せんが、年収ごとにより詳細に基準を設けているケースもあります。

100 万円以上300 万円未満:20%

300 万円以上450 万円未満:30%

450 万円以上600 万円未満:35%

600 万円以上:40%

 

4. 年収が高くても審査に落ちる理由

十分な収入があれば住宅ローンの審査に落ちにくいものの、実際には年収

が高くても審査に落ちるケースはあります。高収入でも、以下のような場

合は住宅ローンを契約できないことが多いです。

<ブラックリストに載っている>

過去に金融事故を起こしており、いわゆる「ブラックリスト」に載ってい

る状態では、住宅ローンを契約できないといわれています。

ブラックリストとは、個人信用情報に事故情報が掲載されている状態のこ

とです。個人信用情報には、これまでの借入や返済の状況が記録されてい

ます。そこに返済の遅延や延滞などの記録があり「異動」と記されると、

金融機関は信用不十分と判断し融資しない可能性が高まります。

一度記録された情報は、ローンやクレジットカードなどの延滞は5 年間、

自己破産や民事再生手続きは10 年間残ります。金融機関は個人信用情報

を調べるので、情報が掲載されている間は審査に通過できません。

<勤続年数が短い>

年収が高くても「勤続年数」が1 年に満たないといった極端に短いケース

では、審査に通過しない可能性が高まります。

国土交通省の調査では、9 割以上の金融機関が勤続年数を考慮すると答え

ています。そのうち勤続年数1 年以上を基準としている金融機関が最も多

く、3 年以上・2 年以上と続きます。この調査から、転職後すぐに住宅ロ

ーンへ申し込んでも、通過する可能性は低いと考えられます。

 

<健康状態に問題がある>

多くの住宅ローンは団体信用生命保険(団信)への加入が必須です。

団信に加入すると、住宅ローンの契約者に万が一のことがあった場合、ロ

ーン残高が保険金で全て支払われます。ただし生命保険のため、加入には

健康状態の告知が必要です。持病を抱えている人や、病歴がある人だと、

審査に通過できない可能性もあります。金融機関の審査に通過できたとし

ても、団信に加入できなければ契約できない住宅ローンがほとんどです。

<住宅ローン以外に借入がある>

「その他の借入」により審査落ちするケースもあります。

審査基準の一つである返済比率は、契約している全てのローンの合計額で

計算するためです。マイカーローンや教育ローンはもちろん、クレジット

カードのリボ払いなども含まれます。

例えば年収500 万円の人が返済比率30%でローンを契約する場合、年間

返済額は150 万円です。ほかにローンがなければ、30 年の住宅ローンで

4500 万円まで借りられます。しかしマイカーローンを毎月3 万円返済し

ている場合、住宅ローンに充てられる年間返済額は114 万円です。

同じ30 年ローンで契約しても3420 万円までしか借りられません。ほかの

ローンを考慮せずに申し込むと、返済比率が基準を上回り審査に落ちる原

因になり得ます。

 

<物件の担保評価が低い>

住宅ローンは購入する物件に抵当権を設定するのが一般的です。抵当権は

金融機関が損失を出さないために設定します。

ローンの契約者が何らかの理由で返済できなくなった際には、物件を競売

にかけて売却し残債を回収できる仕組みです。そのため物件の「担保評

価」も、住宅ローンの審査基準として用いられます。

担保評価が高ければそれだけ競売で高く売却できるため、審査に有利に働

きやすいと考えられます。反対に担保評価が販売価格よりも下回るようで

あれば、借入希望額では審査に通過しない可能性があります。

5. 希望の融資額が承認されなかった場合の対処法

●頭金を増やす

希望額での借入ができないなら「頭金」を増やすとよいです。物件購入時

に頭金でまとまった金額を支払えれば、希望額通りの借入ができなくても

物件を購入できます。

例えば4000 万円の物件を購入したいものの、3500 万円しか融資がおりな

いという場合、不足分の500 万円を頭金として用意するのです。

まとまった金額を用意できれば、着実に貯蓄ができる点を評価され審査に

も有利に働きます。さらに借入金額を減らすことで、利息の支払額を減ら

せるのもメリットです。

 

●収入合算やペアローンを利用する

契約者の年収が少なく希望額で審査に通らない場合、「収入合算」や「ペア

ローン」を利用するのも一つの手段です。

収入合算は契約者の収入に配偶者や親族の収入をプラスして審査できる制

度です。合算できる人の範囲や合算できる上限額は、金融機関ごとに条件

が異なります。できるだけ多くの金額を合算したいのであれば、収入全て

を合算できる金融機関を選ぶのも良いです。

ペアローンは一つの物件に対して、夫婦や親子で合計2 本の住宅ローンを

契約する方法です。夫婦でペアローンを組む場合には、夫も妻も住宅ロー

ンの審査に通過しなければいけません。また、借入額を増やせますが、産

休・育休・介護休暇・傷病などにより収入が減ると、返済が難しくなるケ

ースもあり得ます。

6. いくら借りられるかより返せるかが重要

長い時間を過ごすマイホームであるため希望を全てかなえたいと思う人は

多くいます。しかしそのためには返済比率の上限まで借りなければならな

い、というケースも考えられます。住宅ローンは完済がゴールです。借り

られる金額だけでなく返せる金額にも注目して契約することが重要です。

●理想の返済比率=?%

金融機関で設定している返済比率の目安は、額面収入に対して30~35%

が一般的です。しかしこの返済比率は審査に通過する信用力を評価するた

めのもので、契約者が無理なく返済できるプランかどうかは考えられてい

ません。

 

ライフプランを考慮し検討するのであれば、返済比率は「手取りの20%」

が理想と言われています。手取り年収400 万円であれば年間返済額は80

万円、毎月およそ6 万6000 円の返済だと無理なく支払い続けられます。

額面収入に対する割合で計算されるケースの多い返済比率ですが、実際に

生活に直結するのは手取り収入に対する返済比率です。額面収入の30~

35%で住宅ローンを借りると、手取り収入の約半分を返済に回さなければ

いけないケースもあるため注意が必要です。

●将来の資金計画を立てた予算決め

毎月必要な生活費は、ライフステージによって変化します。子どもが生ま

れれば教育費の負担が増えますし、さらにその先には親との同居や介護な

どの可能性も考えられます。

ローン返済が支出の中心となる暮らしでは、一時的に出費が大きくなるタ

イミングに家計が対応できなくなる可能性があります。

将来に備え生活費や予備費を確保しながら、返済できる金額を検討するこ

とが大切です。例えば現在、マイホーム購入に向けて貯金しながら賃貸物

件の家賃を払い続けているとします。この状況であれば、毎月の返済額が

家賃と同等の住宅ローンなら、無理なく払いつつ予備費も貯められるはず

です。

7. 住宅ローンは無理のない金額で借入を

住宅ローンの借入金額は、年収に対する年間返済額の割合である返済比率

がポイントです。

 

金融機関では返済比率の上限を30~35%と設定しているケースが一般的

で、この範囲内であれば借入できることが多いです。ただし返済比率の上

限は審査用の基準であって、必ずしも自分のライフプランに合っているわ

けではない点に注意が必要です。上限まで借りてしまうと、出費が多くな

るタイミングで生活費が不足する可能性もあります。

余裕を持って返済するなら、返済額が手取り収入の?%以内に収まる金額

を目安に検討するとよいと考えられます。

 

以上、トゥルーライフでは個別にお打ち合わせさせていただきながら

お客様に喜んで頂ける物件、資金計画をお薦めしております。